道具の達人

グラブの各部名称と構造

2016-4-6

野球のグラブはポジションごとに多少の形状の違いはありますが、その構造はおおよそ同じものであり、軟式、硬式ともに構造を同一にしています。ですが、値段、目的によって注目すべき部位があり、グラブを購入するうえで、参考にすべき部分となっています。
まず、ボールを捕球する部位は名称をポケットと呼ばれており、グラブによって大きさ、深さ、位置が異なっています。それはポジションによって用途が変わるためであり、捕球からの素早い送球が必須である内野手はポケットが浅いグラブ、高く上がったフライを適切に捕球しなければならない外野手はポケットが深いグラブと、得意とするポジションによってそれらを見極め、選択する必要があります。どのポジションにおいても捕球は絶対に欠かせないものであるため、ポケットの部分がきちんと作られているものを選ぶことが大切なことになります。
そのポケットの上の部位、網になっている部分は名称をウェブとされており、これもポジションによって形状が異なってきます。投手であれば、対戦相手の打者にボールの握りを窺えなくするためにウェブは隙間のないものになっており、内野手は軽々とした動作を実現するために、ウェブはクロスの形をとった軽いものとなっていることが多くあります。また外野手はフライの捕球時に網の隙間からボールを確認しやすくするために網目の細かいネットになっているなど、ポジションごとに変化があり、ポジションに適したグラブが販売されています。ですが特に規定はなく、自分の好みのウェブを選んでも、支障はないと考えられます。
また、ヘリ皮と呼ばれる部位も、一見地味ではありますが、グラブを選択するうえで重要な部分となっています。ヘリ皮とは、グラブを手にはめた際に、手の甲が見える部分を補強している部位のことで、裁断された皮の強度を高めるために縫いつけられた部分となっています。グラブを選択、使い続けるうえで、ヘリ皮の感触は重要なものであり、皮の質が悪い、また皮が硬すぎるなどの場合には手にうまくグラブが馴染みにくく、使いづらくなってしまいます。そのために購入の際には一度実際に手にはめ、皮の感触を確かめることが必要になってきます。また、高校野球の公式大会ではこのヘリ皮は本体と同色でなければ使用することができない、と規定されているため、確認して購入し、使用することが大切になります。また皮が乾燥しやすく、ひびが入りやすい部位でもあるので、日ごろのメンテナンスが必要となってきます。