道具の達人

野球の試合で勝つために、グローブをベストな状態に

野球の試合で勝つためには、日々の練習は基本ですが、日頃から用具を調整したりメンテナンス用品を準備して手入れを怠らないことを意識することも大切です。

それがグローブであった場合にベストなのは、自分の素手のような感覚で自由自在に指が動かせることです。グローブを新調した時は、グローブが牛革製品であるため大変に硬く、ボールを投げたり受けたりするにはとても使うことができない状態になっています。

それでも無理をして使っている間に手に馴染ませるという方法もありますが、それには多くの時間を要することとなってしまいます。

 

グローブの型付け作業

グローブを新調したら最初に行うことは型付けです。型付けとは自分の手に合ったグローブを作り上げるために大変重要な作業となります。

型の付け方として主流になっているのは湯もみ型付けです。湯もみ型付けとは、熱い湯の中にグローブをつけることにより、牛革を柔らかくさせる型付け方法のひとつです。やり方としては、熱い湯につけて革を柔らかくした後、専用の棒で叩き革をなめしていきます。

更に折り曲げたり手で握ってみたりして柔らかくなったら、ポケットの部分にボールなどを入れ、新聞紙などで包み、紐で縛ったものを風通しの良い場所で陰干しします。新品をこのようにする理由は、使い込んだグローブと近い状態にするためです。

自分でできる作業ですが、買ったばかりの物をこのようにするのは躊躇しやすいことなので、その場合には野球用具の店や型付け専門の店でやってもらうことができます。また型の付け方で重要なポイントは、ポケットの大きさと位置を決めて型付けをするということです。

 

ポケットは自分で調節するのがおすすめ

ポケットとはボールを受ける部分のことをいいます。自分の手の平に合わせてボールを自在に捕りたいと考えた場合には、自分で調節するのが良いでしょう。

ポケットの大きさは手の平に合わせることが前提ですが、野球のボールより大きめのポケットにするのがポイントです。位置については、実際に握ってみたりして、最もボールを捕りやすい位置を決めるのがポイントです。

日頃のグローブのメンテナンスするためのメンテナンス用品として代表される物はオイルです。革の柔らかさを保つためや、革の保護をするためにオイルを使いメンテナンスをします。やり方については、乾拭きをすることで泥などの汚れを落とし、専用のスポンジや布などで撫でるようにしてオイルを塗っていきます。

メンテナンス用品を売る店には様々な種類の物がありますので、必要に応じたメンテナンス用品を準備しましょう。

野球のグラブはポジションによってサイズが細かく規定されていますが、重量に規定はなく、色なども自由に選択することが可能になっています。また左利き用の左グラブも販売されており、その左グラブも右利きと同様に多種のものが用意されています。 ですがポジションごとにグラブには明確な違いがあり、自分の得意なポジションを選択するうえで、用途に合ったグラブを用いることが必要になります。

投手の場合

投手用のグラブには、他のポジションとは異なる点が見受けられます。特徴としてはポケットの部分が深く、また網目に隙間がない、もしくは少ないものが多くなっています。投手は投球前にボール握った手を窺えなくし、球種を相手打者に読まれないようにする配慮が必要となるため、ボールを完全に隠せるように、ポケットが深く作られています。 また、投手のタイプによっても差異があり、速球を持ち味とする投手は重みを利用するために重量のあるものを利用することが多く、変化球を主体としたコントロール重視の投手は、フィールディングをしやすくするために小さく軽めのものを選択することが多くなっています。

捕手の場合

捕手は捕手用のグラブを使用するよう規定されており、形状も他のポジションとは異なる、丸く大きな形をしています。1日に100球以上のボールを捕球する必要があるため、ポケットの部分は非常に厚く作られていることが特徴としてあります。 近年は微妙に変化するストレートを得意とする投手もおり、その変化に素早く対応するため、以前に比べ小型化したグラブを選択する捕手が多くなっています。

内野手の場合

内野には4つのポジションがあり、内野手用のグラブとはいっても、そのポジションごとに明確な違いが見られます。 ファーストミットは他の内野手からの送球を確実に捕球するためにポケットが深く作られており、ウェブの部分が長く作られていることが特徴です。 セカンド用は捕球から送球までの移行を素早くこなすためにポケットの浅いものが多く、また操作性を重視するのに、他のポジションと比べて小さく軽いものが主流となっています。 ショート用は強い打球の処理とセカンド同様、操作性の高さが求められるため、セカンドと比較して厚めの、しかし他のポジションよりは軽いものが多くなっています。 サード用は内野手のなかで最も強い打球を処理するために深いポケットを持ち、また内野手用では一番大きなグラブとなっています。

外野手の場合

外野手用のグラブはフェンス際の打球やフライをしっかりと捕球できるよう、縦に長く大きなものが多く用いられています。 サイズとしては内野手のものより比較的大きめで、基本としては外野の全てのポジションにグラブは共通したものとなっています。

「自分だけのオリジナルグラブ、ほかの人とは違うグラブを持ちたい」

そのような話をお客様によく聞きます。誰も持っていないような野球グラブを使いたいのであればオーダーメイドでグラブを作ることができます。

 

自分だけのグラブを作る

カラーバリエーションが豊富にあり、何色もの革を使って作ることができるため、人とは一味違ったオリジナリティ溢れるグラブに仕上がります。また、試合や練習でも目を引くこと間違いなしです。ただし、オーダーメイドは、注文の仕方によっては大変高額な物になってしまうことがあります。

 

簡単に既製品をオリジナルグラブに変身させたいなら、グラブに刺繍を施すことによって、世界に一つだけ、自分だけのグラブに生まれ変わります。

既製品のグラブに刺繍加工をするショップは、全国には多数あると思います。ショップによって糸のカラーバリエーションの数や、文字書体の種類が様々ですので、まずはどのような刺繍をグラブに入れるのか、文字や刺繍位置、カラーなどを自分なりにシュミレーションし、それをお店に伝えることが重要です。

 

メッセージなどを入れることも可能

過去にあった加工例では、一番よく入れられている刺繍として、自分の名前があります。その他、チーム名や背番号、好きなメッセージなども入れられます。日本語だけではなく、英語や記号などでも入れることができます。

また、刺繍を入れる場所も選択することができます。グラブ平裏や土手部など(グラブに手を入れる場所)が一般的ですが、親指部分に数字や名前を入れることもできます。ただし、グラブによってはスペースの関係で文字数や大きさなどが限定される場合があるのでショップの方に事前に確認や相談するとよいでしょう。

刺繍はすべての既製品グラブにできるわけではありません。キャッチャーミットやファーストミット、ライナーバック仕様のグラブなど、できないものもあります。また、中学・高校硬式野球、少年軟式野球など、ルール規則上、刺繍を施すことは禁止となっていますので、ご注意ください。(※平裏など一部の箇所は可能な場合もあります。刺繍希望の場合は相談するとよいでしょう。)

 

グラブ袋にも刺繍を

大切ななグラブを保管しておくグラブ袋にも刺繍を入れてみましょう。名前やチーム名、背番号、好きなメッセージなどを刺繍すれば、毎日使うものだけに愛着がわき、グラブを大切に使用する気持ちが生まれてきたり、刺繍されているメッセージを見て、気持ちが高まることでしょう。

野球では、軟式野球と硬式野球がありますが、小学生では軟式野球をする子どもが圧倒的に多いです。中学生になると硬式野球に進む子もいます。ここでは小学生のジュニア用グラブ選びについて紹介します。


小学生のジュニア用軟式グラブの選び方

まずグラブ選びをする際、メーカーや色、サイズやポジション、値段などを考慮して決めます。革のグレードがよい商品や、限定商品などは値段も高く、通常商品でも価格は10,000円前後程度が目安となります。

毎日の練習や試合などで使用するものなので、しっかりとしたグラブを選ぶのがポイントです。種類はたくさんありますが、メーカー品で、ある程度のグレードのものであれば大丈夫でしょう。

しかし、一番大切なのは手の大きさにあっているか、身長に対してグラブの大きさはどうかということです。手の大きさにあっていないと、グラブが抜け落ちたり、グラブの開閉が上手にできないこともあります。

 

 ジュニア用軟式クラブのサイズ選び

子供用のグラブのサイズ表記はメーカーによっても違いますが、SSサイズ~LLサイズまであります。おおよその目安は、

・サイズSS 身長120cm以下(小1~小2年生向け)

・サイズS 身長120~135㎝(小1~小3年生向け)

・サイズM 身長130㎝~145㎝(小2~小4年生向け)

・サイズL 身長145~155㎝(小4~小6年生向け)

・サイズLL 身長155㎝以上(小5~小6年生向け)

となっています。

またSSよりも小さい幼児向けのサイズを展開しているメーカーもあります。

あくまでもサイズは目安となりますので、実際に手にはめることができるのなら、手に付けて試すのが一番です。

身長が大きくても、ポジションによっては小さいグラブをはめることもあります。例えば内野手のように素早い動きが要求されるポジションでは大きいグラブは扱いにくい場合があります。実際に守るポジションや手にフィットするグラブを選ぶことが一番大切となりますので、サイズはちゃんと手にあったものを選びましょう。


守るポジション別にグラブを選んでみましょう

少年野球ではポジションが決まっていないことが多いので、オールラウンド用を購入することが多いと思います。むしろメーカーでは、すべての商品がオールラウンド用表記といってもいいほどです。しかし、最近ではプロモデルなどが販売されていて、ポジション別のグラブを展開していることもあります。

内野と外野であったり、内野であってもショートとサード、セカンドでは、微妙にグラブの大きさが違ったりします。

守るポジションによってグラブを選ぶのも一つの選択肢となるでしょう。

 

最後に注意点として、グラブは大きさや形が似ているものがたくさんあります。ジュニア用でも軟式野球とソフトボールがあります。ボールの大きさが違うように、グラブのポケット部分が違いますので、種類を間違えずに購入しましょう。お子様が少年軟式野球をするなら、ジュニア用軟式グラブを選びましょう。

野球を愛する者にとって、自身が使用する用具はとても大事なものです。特に直接手にはめて使うグローブは、大切に使い込むことにより、手に馴染み、体の一部のような感覚で操作することが可能になることもあります。ファーストミットも勿論そうです。

 

ファーストミットの魅力

ファーストミットは一塁を守る選手用に作られた特殊なグローブです。形が他のポジションを守るグローブより大きく作られ、形も大きく長く異なります。他のポジションのグローブと比べてみても、フォルムだけを見ても個性的です。

ファーストミットは、一塁ベースを守る野手が使います。プロ野球の世界では、主に外国人選手や強打者などが守備につくことが多いです。また左利きの選手が多いのも特徴です。高校野球などでは投手などが交代時に一時的に守ることもあります。

 

余談ですが、過去に野村克也氏が阪神タイガース監督時代に、ワンポイントでピッチャーを交代したい時に、投げていたピッチャー交代させず、一時的にファーストに守らせ、リリーフしたピッチャーが打者を抑えると、またピッチャーにも戻すという戦術をして、何度もピンチを切り抜け勝利をもたらしたこともありました。

ファーストミットの主な特徴として、ピッチャーの球を確実に捕球するキャッチャーミットと、操作性を重視した野手用グローブの両方の利点を併せ持っています。ゴロをさばく、他の内野手からの送球を捕球する、フライをとるなど、様々なプレイに対応するため、高い機能が求められます。

特に内野手から送球される、ショートバウンドや高い送球、低い送球などに対応し、少しでも早く捕球し、走ってくる打者をアウトにするため縦長に作られています。

また、内野手で左利き用のグラブがあるのは、投手とファーストミットだけとなります。

 

自分だけのファーストミットを作り上げる

一言にファーストミットといっても、ウエブ形状や、色、革質が存在します。また、大きさもやや小ぶりなものも存在します。メーカーによっても形がオリジナル形状を用いている場合もあります。手の大きさやプレースタイル、プロモデルなどから自分に合うものをしっかり選んで、長く使いたいものです。

グローブ本体は革で出来ているので、使い始めはグラブが硬く、ボールをはじいてしまったりしますが、使い込むほど味が出て、手に馴染んでいきます。そのためには、日頃のグラブのお手入れがかかせません。

汚れや劣化を防ぎ、常にいい状態でプレーするために、グラブについた汚れを落とし、保革用のクリームやメンテナンスオイルなどを塗ります。その塗り方にも個性が出ます。捕球面だけに塗る人、全体に塗って少し重さを出そうとする人など様々です。

ポケット(ボールを捕球する位置)の作り方も、人それぞれですが、自分の一番取りやすい場所をグラブハンマーなどで叩いて、しっかりとポケットを作りましょう。

そして、自分だけの世界に一つだけのオリジナルグラブに仕上げていきましょう。