道具の達人

野球を愛する者にとって、自身が使用する用具はとても大事なものです。特に直接手にはめて使うグローブは、大切に使い込むことにより、手に馴染み、体の一部のような感覚で操作することが可能になることもあります。ファーストミットも勿論そうです。

 

ファーストミットの魅力

ファーストミットは一塁を守る選手用に作られた特殊なグローブです。形が他のポジションを守るグローブより大きく作られ、形も大きく長く異なります。他のポジションのグローブと比べてみても、フォルムだけを見ても個性的です。

ファーストミットは、一塁ベースを守る野手が使います。プロ野球の世界では、主に外国人選手や強打者などが守備につくことが多いです。また左利きの選手が多いのも特徴です。高校野球などでは投手などが交代時に一時的に守ることもあります。

 

余談ですが、過去に野村克也氏が阪神タイガース監督時代に、ワンポイントでピッチャーを交代したい時に、投げていたピッチャー交代させず、一時的にファーストに守らせ、リリーフしたピッチャーが打者を抑えると、またピッチャーにも戻すという戦術をして、何度もピンチを切り抜け勝利をもたらしたこともありました。

ファーストミットの主な特徴として、ピッチャーの球を確実に捕球するキャッチャーミットと、操作性を重視した野手用グローブの両方の利点を併せ持っています。ゴロをさばく、他の内野手からの送球を捕球する、フライをとるなど、様々なプレイに対応するため、高い機能が求められます。

特に内野手から送球される、ショートバウンドや高い送球、低い送球などに対応し、少しでも早く捕球し、走ってくる打者をアウトにするため縦長に作られています。

また、内野手で左利き用のグラブがあるのは、投手とファーストミットだけとなります。

 

自分だけのファーストミットを作り上げる

一言にファーストミットといっても、ウエブ形状や、色、革質が存在します。また、大きさもやや小ぶりなものも存在します。メーカーによっても形がオリジナル形状を用いている場合もあります。手の大きさやプレースタイル、プロモデルなどから自分に合うものをしっかり選んで、長く使いたいものです。

グローブ本体は革で出来ているので、使い始めはグラブが硬く、ボールをはじいてしまったりしますが、使い込むほど味が出て、手に馴染んでいきます。そのためには、日頃のグラブのお手入れがかかせません。

汚れや劣化を防ぎ、常にいい状態でプレーするために、グラブについた汚れを落とし、保革用のクリームやメンテナンスオイルなどを塗ります。その塗り方にも個性が出ます。捕球面だけに塗る人、全体に塗って少し重さを出そうとする人など様々です。

ポケット(ボールを捕球する位置)の作り方も、人それぞれですが、自分の一番取りやすい場所をグラブハンマーなどで叩いて、しっかりとポケットを作りましょう。

そして、自分だけの世界に一つだけのオリジナルグラブに仕上げていきましょう。